尾針得介 の OQM-11

冬・下野の古代と小さな峠越ドライブ100km

開催期間: 11月16日から1月19日。 解答提出〆切:1月24日必着。

有料です(1チーム、2000円)


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コース全体図

 今回は早いもので3回目の冬のドライブとなる。今冬はまたも暖冬との長期予報を信じて、下野の低い峠だが道はほとんど昔のままの曲がりくねった狭い道で、楽しいドライブができるルートをレイアウトしてみた。ドライバーはスバル以外の車は全く認めないPDccのベテラン高木晃くん。車はもちろんスバルのインプレッサWRX−4WDです。そして、かなりのペースでの走りですがインカットの走りはしておりません。この周辺はPDccのクイズラリーやCARオリエンテーリングで使用されており、我々には庭のようなエリアなのです。
 大平山の南麓にある大中寺は、延徳元年(1489)小山城主小山成長が領内に禅風を興そうとして建てた曹洞宗の寺で、越後の上杉謙信と宿敵小田原北条氏の氏康とが和議を交わすために会見したという場所でもあります。寺に伝わる七不思議も有名ですが、なんと言っても安永五年(1776)初刊とされる人肉を食う僧に対する教戒説話のかたちを取った上田秋成の怪異小説「雨月物語」の「青頭巾」の舞台となっていることで有名です。その大中寺を組み込んで栃木の小さな峠を結んでコースを作ることにした。

 スタートは東北道佐野ICから近いみかも公園東口にする。8時30分オープンだが入口を背にしてスタートができると前もって調査済みだったが、なんと農産物の納入の車が開門待ちでいっぱいだった。なんとかスタート場所を設定して走り出した。清水寺に行く林道は車はほとんど走っていないが、散歩している人が結構いた。Q1はODに駐車場もあるし、観音堂にも駐車場がある。お寺さんに尋ねると夜で無ければ御自由にとのことだった。関東では少ない十一面千手観音は参拝すると照明がついて美しい観音様を拝観できるのが嬉しい。大中寺は大きな杉並木の参道を緩やかに登って行き、小石の浮き出た古い石段を踏みしめると青頭巾の物語が浮かんでくる。江戸時代には曹洞宗の全国の寺院を管理する三つの寺の筆頭だったいうが、現在はその面影はほとんどない。和尚さんにOQMの話をすると、どなたでも御自由にどうぞといわれた。何となく陰りのある雰囲気の境内が、子供会のグループが賑やかに七不思議の探検を始めて雰囲気がすっかり明るくなった。

 大平山の大平山神社は観光スポットとしても人気がある。が、どこもかしこも混雑していてクイズを出すのも気が引けるので、楽しい道で通過するだけにしよう。六角堂辺りはさほどでも無いので六角堂を鑑賞してもらうことにした。創建の際、本地仏として山城の国の国宝寺にあった虚空像尊を移したもので聖徳太子の作といわれるという。信じることにしよう。その方が想が広がって楽しい。正月は反時計回りの規制となりコースが走れないので、迂回路を用意しておいた。

 星野遺跡の縄文時代前期、中期住居が復元されているが、それは全国のあちこちにあるのでさほど珍しくないが、少し離れたところにある星野遺跡地層たんけん館のEトレンチ(試掘溝)保存・見学施設が素晴らしい。10mもの深さの幾重にも堆積した関東ローム層の美しい縞模様が見事です。年末年始が休みになるが、ぜひ見てもらいたいので取り入れることにしました。星野遺跡の地層たんけん館(無料9:30〜16:30。休日は月曜。祭日の場合は翌日。年末年始休み12/25〜1/7)寺坂峠は狭い峠道で勾配はきつい。この峠には私の好きなスポットがある。全体的に林の中の薄暗い道だが、途中に空が抜けて明るくスポットライトを浴びたような小さなエリアがある。私は好きだが皆さんはどのように感じるのだろうか。峠を下ると出流である。満願寺はいつも参詣人が多く、そして見所はかなり歩かなければならないので今回はパスする。門前町はほとんど手打ちそばの店でとても人気がある。しかし、最近はそばブームのためか今回のコース沿いには紹介しきれないほど手打ちそばがあった。皆さんお好きなところへどうぞ。ところで、最近手打ちそばを売り物にする店ばかりになったが、以前は生蕎麦という看板を多く見掛けたが最近は全く見なくなった。替わりに十割そばと自慢げに品書きに入れている店がある。生蕎麦とは小麦粉を入れないいわゆる十割そばのことで、最近は趣味が高じてそば屋を始めたり、流行っているからと始める店が多いので、生蕎麦という言葉を知らないのではと思う。古き良き日本語が失われているといわれるが、まさに生蕎麦は死語となったのだろうか。(ホームページ管理者注:必ず1回は入る尾針節。毎回、何に文句をつけるか楽しみです。)なお、写真のお蕎麦は、民宿いづる。一人前2合5勺800円、かなり量は多い。野菜テンプラ500円、まいたけテンプラ600円は美味しかった。11時より14時。休日は金曜日。1泊2食で6500円より。電話0282-31-1418

 葛生は石灰石の採掘が盛んなところでどこを向いても白い山肌が見える。昔PDQMでこの辺りを使い、巨大ダンプのタイヤをクイズにしたことがあったが、そのルートは現在は通行できなくなっていた。しばし、思い出に浸ってから石灰岩の地層に付き物の鍾乳洞の見学をする。宇津野洞窟はスケールがミニサイズでとてもよい。というのは時間が掛からなくてよいから。本格的な鍾乳洞となると入口にたどり着くまでも大変で、見学も少なくても30分から1時間もかかるところがほとんどで結構疲れるが、ここは隅から隅まで探検してもらってもつかれないでしょう。公開されている鍾乳洞としては多分日本一小さな鍾乳洞だと思います。日本で唯一の原人の葛生原人も石灰岩の採掘現場と鍾乳洞で発見されたと、立派な碑のプレートに誇らしげに刻まれているが、町のパンフレットには「葛生原人といわれた化石の……」とだいぶトーンダウンしている。なぜだろうと思う。ところで、コマ図24図にある葛生ポケットパークは5月にオープンしたミニ道の駅。cafe鉢の木の「キーマ・カリー」800円がお得。休日は月曜。

 栃木へ抜ける県道柏倉葛生線は勾配はさほどでもないが小さなコーナーが連続する長い峠で、明るいうちは安全運転に徹して走るしかない。我々には楽しい道だが、地元の人にはかなり不便だと思うが、山奥の道でもないのに昔のままで改良する気配が無いのは不思議な気がする。東北道をくぐって小さな同じような雰囲気の峠を二つ越える。どちらも1.5車線の細い道だが快適なドライブが楽しめる。以前は不法廃棄されたゴミなどが目立っていて感じが悪かったが、それが全くないとは言えないが目立たなくなって気持ちよく走れた。折り返して葛生へ抜ける県道中岩船線は広い道が泥だらけでダンプ街道であることを示している。峠に隧道竣工記念碑がある。どこにトンネルかその痕跡があるのか探したが見当たらなかった。なぜ峠にあるのだろう。以前、原人ラーメンとして大きな文字でアピールしていた店があったが、それがなくなったと思っていたら原人ラーメンの文字はあるもののなぜか小さな文字になっていた。でも原人ラーメンはユニークで安くて美味しかった。

 栃本から唐沢山に登るといっても標高240mであっという間に登りきる。山頂の唐沢城本丸跡の唐沢山神社に祀られているのはムカデ退治で有名な俵藤太といっても今の人は判らないと思うが、平将門を討った藤原秀郷その人で、その子孫が佐野氏で関東の七名城といわれた唐沢城を築城したのである。時間があったら城跡を巡ってみるのも楽しい。唐沢山は昔から松茸狩りで有名であり、料理屋の近くでは松茸料理のよい香りが漂っていた。下っていく途中で松林の中から籠を腰に付けたお年寄りが出てきた。話を聞くとこの10年ほど全く取れないという。自分だけの秘密の場所があって、見てきたが今年も駄目だった。もうとれないのではとあきらめ顔だった。お買いもの情報:唐沢山を下った後、コマ図33図先にある休日だけ開店する農産物直売所。ほとんどが100円。

 田沼は瓦の生産が盛んなところだったが、最近では業者の数が減っていると町役場ではいっていた。しかし、CARオリエンテーリングの常連でチャンピオンでもある原正さんの家は江戸時代から続く瓦屋さんで、県道の両側に屋敷があるのは屋敷の真ん中を県道にとられてしまったからだそうで、8代目の父上の原明さんは瓦で塔などのミニチュアを製作している。このようなもの作っている人は日本でただ一人であくまでも趣味として製作しているそうです。そこで作品の一つを参加者のために賞品として頂戴しました。

 ゴールはオープン一周年を迎える「道の駅どまんなか・たぬま」にする。最近は道の駅が至る所にできて我々にとっても便利になった。ここの中華レストランは評判がよい。温泉も掘り当てたのでそのうちに入浴施設もできるのかなと思う。田沼の山の中に日本の中心だという場所があり、それでどまんなかと称しているそうです。でも、名称になぜ「どまんなか」という関西弁を使うのかと事務所の職員に質問したら、エッ、関西弁なんですかと驚いていた。関東ならまんまん中という言葉があるのにと思う。そういえばその言葉を耳にすることがなくなって久しいと思った。


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