尾針得介 の OQM-18

秋・美しい揖斐の渓谷ドライブ95km

開催期間:2004/8/07〜2004/10/31。 解答提出〆切:11月8日必着。

有料です(1チーム、2000円)


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コース全体図

 NEXT杯OQM2004シリーズの第3戦です。今回は滋賀県でコースを作る予告をしておりましたが、予定していた峠が直前に崖崩れで通行不能になり土木事務所の見解では周辺に亀裂もあり、開通するのは年内は無理とのこと。八草峠の旧道も封鎖されているとのことで、滋賀県を走るレイアウトが作れず、岐阜県側の後半を逆走するレイアウトに変更することになりました。滋賀県を期待していた方には誠に申し訳ありませんが、次の機会をお待ち下さい。

 今回も昨年に続いて三重の中田幸夫さんがアシストしてくれました。車はスズキワゴンR ソリオ1.3、2WD・4AT。タイヤはオーツFALKEN ZIEX ZE−337 165/60R14。計測器ALPHA、SUB−TORI(1m計測)です。後ろにはもちろんPDccの矢木雅人くんが乗っています。スタートはJR関ヶ原駅。駅前は何もないのでスタート位置に苦労する。まずは関ヶ原を見渡す明神の森に登る。曲がりくねった道のOD計測は難しいがインカットせずに常に左サイドをキープしてゆっくりと上る。緑の濃い森の中の狭い道は雰囲気がよい。視界が開けると目の前は深い谷になっている。峠仕様の車3台と擦れ違った。オッ!外国人の美女がナビ席にいるといったら、ドライバーも外国人で男だったと矢木くんがいう。私には美女しか見えなかったのだ。明神の森は夜景の展望でも一部の人には人気のある所らしい。が、夜までは待てないし、男だけでは野暮なので明神の森はクイズを置くだけにして先に進む。春日谷の清流は素晴らしい。道は狭くガードレールもないのでドライバーは美しい流れに見とれないようにして下さい。

 さざれ石公園に向かう道はなぜかとても広い道に感じる。公園には休憩所もあり、長い斜面の草地がある。子供たちは転がって下るのを楽しんでいるという。といわれてもね、いい大人にはそういう遊びは………。どなたか実行したら感想を報告して下さい。メインのさざれ石は広場にぽつんと置かれている感じで歴史的な背景がまったくない。もう少し神秘的な演出なり、歴史的な演出なりしておいて欲しかった。隣の中曾根さんの石碑の方がずっと立派だ。昨年のOQM−14で行った永源寺町の君ヶ畑に1000年の昔におられた、ロクロを発明した木地師の祖である惟喬親王の命を受け、藤原朝臣石位左衛門がこの地に良材を見つけ一族とともに移り住んだ。京への往復の途で小石が集まって巨石となっているさざれ石を見て「わが君は千代に八千代のさざれ石のいわをとなりて苔のむすまで」の歌を読んだ。これが「古今集」に収められて君が代の元となったという。中曾根康弘元首相のお墨付きがあるが、現在では異論もあるようだ。でも、このような昔から伝わっている話はずっと語り継がれてほしいと思う。

 大きな水車があった。観光用の物らしいが見ていると回転が滑らかでないような感じがする。1回転の時間を測ってみると何回測っても同じである。目の錯覚かと面白いのでクイズにしたが、次の日に見たら止まっていた。鉱山跡の中山バス停が真新しい丸太小屋で隣の朽ちかけた鉱山施設と対照的で面白い。が、この辺りに民家らしい物が見当たらないがだれが利用するのだろう。

 県道32に入ると道は少し広くなる。面白い看板があった。落石注意の標識は全国統一だが看板は印象にない。これはとても印象に残るもので大きな岩が車に目掛けてプップッと石を吹き付けている絵なのだ。ユーモアがあってよろしい。岩とは喧嘩しないようにしよう。

 所々に無人売り場がある。季節の山菜や野菜を売っている。新鮮で100円と安いが中には高いのもあるのにご注意を。人の集まる所で売っているのはやっぱり少し高かった。

 春日村は人口1700人余りのとても規模の小さな村です。でも、立派な施設が幾つもある。今回は寄らなかったが日帰り温泉とその周りにある施設は人気があるようだ。私の町には何にもない。都会に近い所は補助金も少なくダメらしい。長者の里もその一つで森の文化博物館はコンクリートの打ちっぱなしのとてもモダンな建物だが、集会場も収納庫もなく博物館の機能にそぐわない設備だという。私の町にもそのようなものがあったな。何とかの無駄遣いはたくさんあるなあ。でもここに働いている人達はとても気持ちのよい人でとてもさわやかな気分なる。

 峠を越えると久瀬村。人口1500人の村、貝月リゾートは冬はスキー場。夏場はハングライダーのゲレンデとなり吹き流しが何本も立っている。小さな峠を越えると坂内村。人口600人余りの小さな村だが何と光ファイバーケーブルのネットワークが全所帯に行き渡っているのだ。我が家はまだその環境にないのに…。スキー場とゴルフ場があると思ったらゴルフ場はなくなりダチョウの飼育場になっていて坂内村の名物としてダチョウの肉を大いに売り出そうとしているようだ。Q11の手書きの看板に大きな間違いがあるが、推測はできるので細かく追及はしないように。その手前で熊に遭遇した。といっても子熊で車に驚いて草むらに飛び込んだが、そこは川の上の崖で草の動きからみると10数m下の川に転落したようだ。車を止めてのぞいて見たが姿はなかった。 

 3月24日にオープンしたばかりの道の駅「夜叉ヶ池の里さかうち」はこじんまりとしている。レストランにはダチョウ料理のメニューがある。私は鳥はダメなので二人に任せたが、癖がなくて美味しいそうだ。ただカレーはもう少し肉の量がほしいとい矢木くんはいっていた。ダチョウ健脳御前という奇妙な名前の料理があるが頭脳が健全になるなら、日本中の人に食べさせなければと思ったが、確認したら岐阜県が音頭をとってアピールしている健康に良い食品のことだという。センスがよいとは言えないと思う。ダチョウを使った料理の缶詰も売り場に並んでいる。地元の製品も結構あった。中身のないダチョウのタマゴを2000円で売ってる。あるところでダチョウのタマゴもちろん中身のあるもので5000円もしているので驚いた覚えがある。それと比べて安いのか高いのか……

 苦労の始まりはここからだった。横山ダムの左岸を走る道に入ろうとしたら通行止め。少し下流の橋の手前に森呼吸というとてもモダンな建物があった。駐車場も広いし渓谷に張り出したデッキもある。が、なぜか閉鎖されていた。のぞいてみると室内が狭い。建物の大きさに比べて活用できるスペースが異常に狭い。なぜこのような建物をたてたのか判らない。この建物は平成10年度の「岐阜県21世紀ふるさとづくり芸術賞」を受賞している立派なものだ。坂内村総合案内所として村のシンボルの一つだったが道の駅ができたために閉鎖されて、今後の利用計画もないとのこと。たった6年で廃棄してしまうなんて私には信じられない無駄遣いだと思う。

 ここから橋を渡っていくと射撃場までで通行止め。ダムサイドからの右岸の道も通行止めだった。藤橋村は人口は何と400人余しかない。そういえば徳山ダムなど大きなダムが村の中心地にできてみんな古里を捨てて都会に出てしまったという。道の駅「星のふる里ふじはし」は大きい施設だ。駐車場も広いし売り場も広い商品も豊富だ。豆腐の製造所があり人気があるらしい。レストランも独立している。道の駅さかうちのレストランの女性たちは応対がよくきもちがよかったが、ここは…そうだ梅うどんがよかった…。

 トンネルの手前で右に入る道が通行止め、それではと道の駅の手前で左に入ると看板はないが柵が置いてあった。これは通れてよい道だったが使うことはできない。

 久瀬村役場の横を通っていくと巨大な導水管が目に入る。その大きさには圧倒される。少し先に駐車スペースがあったのでクイズを置けてよかった。山に入るととても素敵な砂防ダムがあった。小さなダムはみなこのような造りにしてくれれば辺りの雰囲気を壊さずに新しい景色を作り出すのにと思う。その少し先で道はダートになった。事前調査では通れますとのことで2kmほど走れば舗装になるのだが、今回のドライバーは松本さんではないので……すぐに引き返した。後ろの人も満足そうでした。砂防ダムが素晴らしいので生かすことにしてレイアウトを変える。観光案内や地図にも記されている恋の吊り橋は駐車スペースもなく、橋も平凡で観光する価値はない、蔦の絡まる橋柱が見事なだけであった。恋という文字のいわれはどこから来ているのだろう……。

 やっと揖斐川の右岸を走ることができた。これは素晴らしい道だった。崖の中腹を走る道は川の眺めもよく楽しい。ゆっくりと景色を眺めながら走ってもらいたい道です。

 谷汲村には1200年の歴史のある二つの有名な寺院がある。その一つ横蔵寺は国指定重要文化財指定が22体もあり美濃の正倉院ともいわれる。ここで亡くなった熊谷次郎直実の蓮生坊の墓があるので来たのだが、山の上にあるという。明智光秀謀反の時の戦乱に遭い山の上にあった七堂伽藍が戦火で焼失してしまったという。それで本来の墓所は山の上なのだ。あきらめざるを得なかった。取材が終わってから地元の人に尋ねると、駐車場は日曜日は有料になるとのこと。う〜ん キャンセルしよう。有料というのは抵抗がある。その価値以上のものがあるとみんなが思ってくれれば良いのだが。

 ゴールの手前の旧道の峠を走る。小さなコーナーの多い昔のままの峠道で、よく残っていたと嬉しくなる。その嬉しさの消えぬうちに道の駅「夢さんさん谷汲」にゴールする。ここもこじんまりとした施設であるが隣接の緑地公園が素敵だ。

 もう一つの古刹華厳寺は西国札所三十三番満願霊場として有名なお寺です。1kmもある大きな門前町があり日曜日は進入禁止で徒歩での参拝になる。これほど立派な門前町は少なくなっているので時間があればぜひ歩いて雰囲気を味わって下さい。

 三つの道の駅を巡って気が付いたのだが物産館での商品の発売元がほとんど一社で占めている。裏を見ると原料が外国産のものが多い。道の駅の存在価値の一つに地場産業の育成というのがあると思うのだが、土産物が県内とはいえ他地区からでは地元の活性化にはならないのではと思う。

 来年の1月31日に、今回走ってきた村々と揖斐川町が合併して新しい揖斐川町となる予定です。合併直前の村々の個性を楽しんで下さい。谷汲村は約4000人。揖斐川町は約19000人です。右の写真は、左から、矢木くん、私(尾針)、中田さん


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