尾針得介 の OQM-4

春の南アルプス秘境探訪93km

開催期間:3月17日から5月27日。 解答提出〆切:5月31日必着。

有料です(1チーム、2000円)


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コース全体図

 過去3回の参加者の解答を拝見すると皆さん真剣に取り組んでいるのがよくわかります。私もより楽しいコースとユーモアを感じることのできるクイズを作成していきたと思います。今回は観光案内にもあまり載っていない南アルプスの山道を楽しんでください。ゴールの音戯の郷からの帰路は静岡まで約1時間です。

 第四回目は我が家の周辺の面白いところを巡って楽しめるコースを予定していましたが、私の個人的なアクシデントで、作成が間に合わなくなり、それは後日に回して静岡の大井川上流の井川ダムに行くことにしました。昭和46年に開通したばかりの千頭から落石だらけのダートの林道閑蔵線を経て井川ダム、そして大日峠を超えて静岡までのPDラリーを作った懐かしいエリアを使ってみたいと思ったのです。そうそう、井川ダムで思い出すのは東京オリンピックの年に安倍川を下り、次に大井川の川下りをしようと、ファルトボート(折り畳みカヌー)を担いで大井川鉄道で川を見ながら行ったが水量が少く、結局、井川ダムの上の畑薙ダムの発電所の放流管の流れにのってみたが流れが速すぎて、川下りを楽しむというより転覆しないようにするのがやっとだったという若き日の思い出の地でもあります。さて今回のメンバーは滋賀ナンバーのスバルインプレッサの堀口修一くん(ドライブラリー掲示板の電気羊さんです)と矢木雅人くんである。タイヤはしっかりとスタッドレスを履いている。スタートは岡部町の道の駅「玉露の里」にする。最高級の煎茶である玉露の三大産地(京の宇治、八女の星野)の一つであるが、まだ開店前で味わえなかったのが少々心残りだったがスタートする。
 すぐに狭い山道にはいり、辺りは茶畑が多い。パックされたやぶきた茶の自販機があるなんてさすがは茶どころと感心する。だいだらぼっちの伝説のあるだいだらぼうを越えて藁科川に下る。青い小さな吊橋があった。クイズにするには手頃な大きさである。最近各地に造られている観光用の巨大な吊橋は安全対策は万全でネットに囲まれて開放感はなく、そして揺れない吊橋なんて面白くも何ともない。しかし、ここは違う、歩調が合わないと手摺に掴まりたくなるほど、揺れるというより弾んでしまう感じである。さすがに本物の吊橋は違うのだ、お子さんは一人では渡らないようにしてください。
 畑の中に大きな竹細工が点在している。これは何かのイベントで作成したものらしく、説明板が壊れたりしているが、施設はしっかりしていた。なかなか楽しいアイデアものだと思います。湯ノ島温泉は昼間だけの小さな日帰り温泉で食堂と売店が併設されているが、品揃えにしても、その素朴な感じがよい。通年置いてあるという柏餅は都会で売っている柏餅とは違うジャンルの品物かと思うほど素朴なものだった。
 さてここから南アルプスの山中に分け入って行く。急な道を登っていくのは楽しい。丸太で造った堰はまだ新しい。丸太の数も意外と多くクイズは太い丸太だけにする。福養の滝の入口にある施設は冬で客がないので閉まっていたが、案内によると名馬磨墨はここの産だという。といっても若い人たちは知らないと思うが、梶原景季が源頼朝から賜った名馬で平家物語の宇治川の先陣争いに名を残している有名な馬なのです。こんな山奥に名馬が育ったとも思えないが、その頃の馬は現代のサラブレッドと思っては間違いで平家物語にも「そのあしふとく」とあるように木曾馬のように小型でずんぐりした馬だったのです。
 福養の滝は落差100mもあるが眺める場所がほとんど真下に近い所なので、他の有名な滝とは違う風景である。明治の役人が養老の滝に似ているからと、名付けたというが全然似ていない。その以前の磨墨の伝説による「お馬が滝」の方がよかったと思う。
 県道189号線に合流して富士見峠にでる。木立ちの中に井川林道開通記念塔がひっそりと立っている。かつては初めて井川と静岡を結んだ林道のその喜びを表すように輝いていたのだが、時の流れとともに、かつての輝いた記憶が忘れ去られようとしているようだ。井川大橋を渡るためにはダートを4kmほど走らなければならない。心配していたが路面は良好でノーマル車でも普通にはしれるのでほっとした。昭和29年に出来たという大きな吊橋は入口がやや狭いので曲がるのに苦労するかもしれない。揺れる吊橋は楽しい。路面が木製で車の通れる吊橋としては最も古くて最大の吊橋ではないか思う。車両重量制限2トンです。
 思い出の場所、畑薙ダムの発電所の放流管にいってみたら渇水期のためか放流されておらず、あの急流と再会することができなかったのは残念だった。
 南アルプスの懐にある井川は昔とさほど変わらない感じである。えほんの郷などの新しい施設がかえってこの秘境の雰囲気に合わないような気がする。てしゃまんくの門という木製のドームがある。内部にはかつていろいろなイベントで使用された形跡が残っているが、最近に利用されている気配はなかった。ところで「てしゃまんく」とはこの土地のとてつもない力持ちの伝説上の人物だという。
 ミニ鉄道の井川駅とその下にある何でも屋の「山びこ」が楽しい。山を切り開いて造ったような駅は遊園地の駅のような感じで面白い。「山びこ」は都会からは姿を消した雑貨屋さんのようで、いろんな物がおいてある。それが都会にはないものが多いので面白い。食事も山里らしいメニューで都会にはない味わいである。しいたけてんぷらそば700円、しいたけ丼750円、山菜てんぷらそば700円、たらの芽のてんぷら450円。井川展示館は、井川ダムに関する展示物がメインだが、屋外に展示されている水圧鉄管の巨大さには驚く。昔カヌーで体験した急流はこのような巨大な鉄管からの放流だったのだと納得した。千頭に続く市道は以前は林道閑蔵線といって開通したばかりの昭和46年にPDラリーで走っている。当時の落石だらけのダートは思い出の中にしかないが、長島ダムの建設で道路も大幅に変わりごくあたり前の道になっていた。しかし、曲折している湖面を縦断するように鉄橋が渡っていて、真ん中の人家もない岬に奥大井湖上駅がある。風景としてもしゃれているし、鉄橋には歩道も設置されていてハイカーが通行できるとは素敵だと思う。
 ゴールは千頭駅の隣の道の駅奥大井音戯の郷。世界一大きなオルゴールがあるというが、入場料1000円では一日遊べなければ価値がないので、見学は参加者の自由にする。フリーで入れる門の中に面白いものもたくさんあったが、5時で門が閉まるので問題を作れなかったのが残念だった。千頭駅にSLがたくさんあったはずだが、一台しかなかった。その代わり資料館に様々なイベントでSLに付けたヘッドマークがたくさんあって楽しめます。


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