「NEXT杯 OQM2005 シリーズ 第4戦」
「ML−DRC2006 シリーズ 第1戦」

尾針得介 の元祖クイジーマップ OQM−23
冬・歴史をたどってブラジルへドライブ 80km

開催期間:2005/11/19〜2006/2/19 解答提出〆切:2月27日必着。
有料です(1チーム、2000円)


コース全体図 賞品参加者の声


 NEXT杯OQM2005シリーズの最終戦です。                
 東海道を使ってコースを幾つも作ったが私にとって、もっと身近な中山道を使っていないと気が付いた。埼玉県内の東京に近い方は交通が激しくてとても使えないが北部は歴史遺産も残っていて面白い。が、中山道自体には歴史の面影は余り感じられません。少し脇にはいると歴史をとどめている寺社などがあり、それなりに楽しめます。また、地図を片手に中山道を歩いている人達の姿も見掛けます。今回は徳川家発祥の地を初めとして新田義貞、渋沢栄一、高島秋帆、高山彦九郎、国定忠治など日本史を彩る人物の跡を尋ねてブラジルタウンで異国情緒を楽しもうというプランを立てました。

 ドライブしてくれるのは松本純弘さん(写真右)で、腰が痛いという矢木雅人くん(写真左)はリアシートです。車は松本さんのスズキ・スイフト。スタートは彩甲斐街道という名前のR140沿いにある道の駅かわもとにする。野菜直売所しかない殺風景な道の駅で、朝は納品する軽トラでいっぱいという珍しい駅である。

 まずは中山道へ最短距離で籠原から入る。歴史の面影を感じることのない普通の道で物足りないが、数ある神社寺院に面影を求めることができる。かなり太い幹のイチョウ並木があり、歩道の真ん中に生えていてまともに歩けないような感じで、幹は立派だがなぜか葉の繁り方が細くてユニークな感じがする。落ち葉が散らないように剪定したのだろうか。R17との交差点にある有名な見返りの松が哀れなことに松葉が赤くなり枯れていた。

 稲荷町の高さ4mもある大きな常夜燈は宿場の入口で、この常夜燈は中山道で一番大きいということである。この辺りから昔の中山道の面影を見掛けるようになるが、まずは深谷駅に寄る。東京駅は深谷のレンガを使用して造られている。その歴史あるレンガをPRする目的もあって東京駅を模して造られた見事な駅舎である。中は東京駅のようにいろいろのものがあるのかと思っていたが、外観から思うほどには広くなくて少々がっかりした。入口辺りのデザインは東京駅中央口と全く同じだが何となく違和感がある。そうだ、車寄せが無いから重厚な感じが無いのだ。橋上駅だから仕方がないのか。駅前には郷土の偉人というより日本の近代国家としての礎を築いた資本主義の父といわれる渋沢栄一の銅像がある。また、6図のシェ・オーサワは深谷で初めてのケーキ屋さんで創業75年という老舗。ここのレンガを模した焼き菓子「深谷レンガ」157円は彩の国優良ブランド品に指定されている。お勧めは「クリーミーチーズケーキ」577円で、冷凍されていて凍ったままでよし半解凍でも解かしてでも、それぞれの食感が楽しめて美味しい。9時からの営業。 町なかには古いレンガ造りの建物が点在するが、コースとして見て回る訳にはいかないので、興味ある方は捜してみて下さい。

 深谷宿の境にある田所町の常夜燈は江戸時代末期のもので向かい側に鐘楼があるという面白い風景である。ところで「薩摩守」って知っていますか、もう死語になったのかな。最近は聞かなくなりましが、無賃乗車のことです。なぜか。平薩摩守忠度からきたタダノリするの隠語です。ついでにいいますとキセルという隠語もありました。キセルというのは煙草を吸うための和製のパイプで竹などの細い管に金属製の刻み煙草を詰める雁首と吸い口が付いている形から、乗車駅と下車駅付近の短距離の乗車賃だけ払い、中間の部分を無賃乗車することです。閑話休題。その平忠度の供養塔が踏切を渡ったところの清心寺にある。源平合戦の一の谷の戦いで平忠度を討ち取った岡部六弥太が建てたものである。余裕があれば立ち寄って800年の昔に思いを馳せてはいかがでしょう。

 高島秋帆をご存じだと思います。板橋の徳丸が原で初めての洋式砲術の演習したのは有名で、その後の軍事力の近代化に力があったが、町奉行鳥居耀蔵に謀反の罪を着せられて投獄されたというのは知っていた。しかし岡部藩の陣屋に10年も幽閉されていたのは知ら無かった。岡部藩では囚人ではなく兵学の師としての待遇をしていたようである。その陣屋跡は何もなく「高島秋帆幽囚人之地」の碑があるだけで、背後にあった林も最近伐採されて殺風景になってしまっていた。

 道の駅おかべはとても人気の場所で、9時に着いても駐車場はほぼいっぱいである。野菜直売所をはじめ関東一という漬物、地酒、地ビール、そして食堂のそば蔵で10時まで朝定食が380円からある。これだけ充実している道の駅も少ないと思う。

 渋沢栄一の生家は藍を扱う豪農で大きな屋敷がすごいが、渋沢栄一の生涯も物凄いものである。最近その生涯を映画化するという運動が深谷で起きているというが、波乱万丈の生涯をどのように描くのだろう。テレビで明治、大正の財界産業界をリードしたと紹介していたが、そんなものではない。近代日本を造った明治の偉人の一人で、明治維新を成し遂げた西郷隆盛などの元勲たちと対等に接し、渡米すればその度に大統領と面会するという大人物である。詳細は渋沢栄一記念館の資料室の展示物と事務室で頒布している子息の渋沢秀雄が書いた「渋沢栄一」150円を読んで下さい。実業界の実力者が皆財閥を形成していったのに、彼はそれ以上の実力がありながら閥を造らなかったのがすごいと思う。17図を右折して1km先の大寄公民館にある、第一銀行初代頭取の渋沢栄一の喜寿の祝いとして、行員たちの出資で建てられたレンガ造りの誠之堂(重文)を見てもらいたかったが、年末年始は車を停める場所がないのでやむをえずキャンセルした。

 利根川を越えると徳川家発祥の地という世良田である。まずは徳川という地名にある満徳寺を巡る。ここは鎌倉の東慶寺とともに縁切り寺として有名で、有料の公園としてもよく整備されている。問題をと思ったがネットで見ると詳しく紹介されていてがっくり。黒い大きな門はとてもお寺の門とは思えないが、これが駆込み門でここに履物でも投げ込めば、それで寺に入ったことになるということである。

 世良田の東照宮は長楽寺境内に日光東照宮の改築の際、旧社殿をこの地に移築したものである。全国に600もあるといわれる東照宮の社殿でもっとも古いものである。徳川氏の出自に関しては真贋が取り沙汰されているが、少なくともこの地に400年に近い徳川の歴史があることは事実である。

 駐車場にある「葵」というレストランは尾島の特産のやまと芋を使った麦とろ料理がメインである。945円で7品にデザートとデミタスコーヒーまで付いている。おまけに麦御飯ととろろ汁がお変わり自由というのがすごい。有名な丸子のとろろ汁はみそ汁とお新香が付いているだけで1380円である。ところでとろろ汁はなぜ白米御飯より麦御飯の方が美味しいのでしょうね。    

 高崎競馬のトレーニングセンターがある。平成16年の大晦日をもって閉鎖されて一年も経っていないが看板など廃墟を思わせるような雰囲気になっている。その脇を流れる早川の土手を走る。畔道のような狭い道が段々と広くなっていくのが面白い。

 小泉稲荷神社の巨大な鳥居があるが、取材時はコスモス祭りで通れなかったのが残念であった。そして小泉稲荷神社境内の鳥居には驚くと思う。多くの稲荷神社は同じ大きさの鳥居がトンネルのようになっているが、ここのは大小の鳥居が混在しているのが面白い。

 国定忠治といえば時代劇のヒーローだが、最近は映画やテレビで見掛けなくなったのはなぜだろう。人気がなくなったのかなぁ。でも宮城ナンバーの車できていた素朴な感じの若者が墓前で手を合わせていた。

 OQM−15で使ったエミューの飼育場がすっかり荒れていた。エミューは10数羽いるが、以前は人が近寄ると寄ってきたのだが、餌台も無くなっており、エミューも知らん顔して寄ってこない。少々可愛そうな気がする。

 曹源寺にさざえ堂がある。さざえ堂とは一方通行で登って下って百体の観音様をお参りしてくるお堂で、日本に三つしかないという。実際にはまだ幾つかあるが、公開されているのはここと児玉町の成身院と会津若松市の正宗寺の三つである。そのさざえ堂で一番大きいとされるものが曹源寺なのだが、ここの住職は気紛れなのか日曜日でも平気で休むし、終うのも3時という早い時間で、私は5回来たが一度も拝観したことがないのが残念である。

 今回唯一の山道を走る。金山公園の頂上の駐車場まで登るのだが、やはり山道を走るのは気分がいい。展望台に登ってびっくり、何にも見えないのだ。わずかに木の間越しに市街地が少し見えるだけである。木が成長して見えなくなったのかなと思う。自然を尊重して木を切らないのなら木の成長するのに合わせて展望台も高くすれば……というのは冗談です。金山城跡の復元が進んでおり、関東の山城にはないといわれていた石垣もあり、素晴らしいものである。取材時には暗くなってきていて残念ながら取り入れることが出来なかったが、余裕のある方はぜひ見て下さい。 

 高山彦九郎という名前を聞いたことがない人が多いと思う。楠木正成、二宮金次郎、東郷元帥など歴史上かなり重要な人物が教科書から消えて教えてもらえないというのは何かゆがんでいるような気がする。高山彦九郎も尊王主義を全国に広めていた人物で、その交際した人物は当時の一流の人達でそのリストを見ると高山彦九郎の時代の先駆者としての格も判るというものである。

 さて、歴史のお勉強が終わったらパッといきましょう。ブラジルワールドへ。大泉町は一番外国人の比率の高い町です。スーパータカラはブラジル人のマーケットとして一番盛っている店でブラジル訪問の第一歩はここに入りましょう。顔は日本人ですがポルトガル語が飛び交っています。日本語も通じますから大丈夫です。いいものを見つけて下さい。

 ゴールのスーパー大泉ものぞいて下さい。日本の店にはないものがあります。食事はブラジル料理のレストランへ。幾つもありますが、初心者向きの正統派のプリマヴェーラにしましょう。お客はブラジル人ばかりですが、メニューは写真入りで日本語もあり大丈夫です。ただ一つ違うのは水がでてきません。フリードリンクで260円出して水もコーラなどと一緒で飲み放題です。お勧めは食べ放題のシュラスコです。サラダや焼き飯などがバイキングスタイルでズラッと並んでいますが、皿にとるのはサラダなどお腹にたまらないものを少しだけ取るのがこつです。席に着くとすぐに大きな串に刺したいろいろな肉を次から次と持ってきて切り取ってくれます。初めに喜んで大きく切ってもらうと後のものが食べられなくなります。10種類ぐらいあるので全部味わって下さい。ご健闘を祈ります。因みに我々は失敗しました。


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