[NEXT・INPLAS杯 OQM2007 シリーズ 第2戦]
(ML-DRC2007 第11戦)


尾針得介の元祖クイジーマップ OQM-29
夏・美しい海と山そしてトンネルをドライブ 107km


開催期間:2007年6月15日〜2007年9月17日
(開催終了しました)


コース全体図 参加者の声賞品


 OQMエントラントの若山さんが社長をなさっている“インプラス”社が今回からスポンサーに加わってくださることになりました。ありがとうございます。それにともないOQMシリーズも“NEXT・INPLAS杯”と名称を変更しましたので、今後も奮ってチャレンジしてください。よろしくお願い致します。
 さて、その“NEXT・INPLAS杯”OQM2007シリーズの第2戦です。今回は夏の海を楽しんでください。海水浴シーズンで混むといっても関東周辺と比べれば日本海側はさほどでもないようです。敦賀湾をメインに据え、これからの日本に重要な役割を担う高速増殖炉の「もんじゅ」を覗き、銀河鉄道999を観賞して、とても涼しい旧北陸本線のトンネルを走るレイアウトにしました。
 今回のドライバーは三重の中田幸夫さん、リアシートには矢木くん、計測車は中田さんのホンダ・オデッセイで、トリップメーターは永井電子のドライブモニター4020です。


 スタートは敦賀ICから11kmほど西にある「JR東美浜駅」にする。何にもない駅ですが、それもまた魅力の一つです。朝食はコンビニで用意してください。ただ、敦賀市内にはセブンイレブンが見当たらなかったのが不思議でした。
 無人駅の東美浜駅には運賃箱があり、切符や運賃を入れることになっている。もちろんコストダウンが目的だが、性善説が前提のこのシステムは日本人社会古来の人を信じる風習があってのことで、素晴らしいと思う。外国にもこういうシステムはあるのかなぁ。
 まず敦賀半島の西側を海沿いに走る。素晴らしくきれいな海で、海水浴場がいくつもあり、その砂浜の中を走っているような雰囲気がある。そういえば太平洋側の砂浜はどこも大きな防波堤の外にあり、車内から見ることができないので、よけい素敵に感じる。美浜原子力発電所が長い橋の向こうに見える。その入口にあるPRセンターは9時からなので見学はできなかった。
小さな山道を越えると高速増殖炉もんじゅの入口がある。この入口は二重になっていて、チェックを受けると大きなゲートがそれぞれ自動で開閉する様子から非常に重要な施設であるというのが判る。さらにここからトンネルを抜けてもんじゅに至るのだ。美浜原子力発電所はガードマンが一台一台、車を止めてチェックをしているが、どこの会社でもしているようなチェックだったので、その重要性の格差をよけいに感じた。
 もんじゅのPRセンターの「エムシースクエア」で高速増殖炉の仕組みが判るようになっている。その精密なミニチュアに感嘆するが、地球温暖化防止のためにも、国民に不安を与えないように管理運営をしっかりしてほしいと願うだけである。この施設の見学者は団体を除けば一日に十数人程度だという。もっと大勢の人が見学するようになり理解が深まればよいと思う。
 日本三大松原の1つという「気比の松原」は三保の松原や虹の松原とは随分と感じが違う。浜辺の風景はそれなりに美しいが、スケールが小さく松の木も不揃いで美林とはいいがたい。夏は駐車場が有料になるので通過するだけにする。その先にある金ヶ崎緑地は素晴らしい施設です。港にあるこの広場は観光施設としてだけではなく市民の憩いの場としても生かされており、海沿いの板張りのボードウォークも素敵です。隣接する金ヶ崎城址と金崎宮は駐車場から登っていかなければならないのでパスしたが、歴史の余韻を味わってみるのもよいでしょう。日本史のヒーロー新田義貞に縁のある城でもあり、朝倉攻めの織田勢がこの金ヶ崎城を攻略した時、浅井長政の裏切りに遭って引き返した際に羽柴秀吉がしんがりを務めた所としても名高いのです。金崎宮は尊良親王と姫君が結ばれたことから「恋の宮」として恋愛祈願に訪れる人が多いそうです。
 気比神宮から敦賀駅前までの歩道には「銀河鉄道999」と「宇宙戦艦ヤマト」のモニュメントがある。どれも見応えのある作品でマニアにはこたえられないものばかりである。
  「ヨーロッパ軒」という洋食屋のソースカツ丼が敦賀名物として有名になっている。店内も満員で順番待ちもあるが回転は早い。“元祖”ということだが、ソースカツ丼の元祖と名乗る所は日本中にあるのが面白い。この店のは独特のソースに漬けたカツを載せているだけのシンプルなものです。美味しいのですが味わいもシンプルです。矢木くんは「パリ丼」を注文していた。美味しかったと言うが、どんな丼か想像して見て下さい。
 R476は1962年に廃止された旧北陸本線の跡だが、その面影は獺河内に新保駅跡の石碑と道の脇にある小さなトンネル二つがあるだけで何も無い。葉原から高速道路の上下線の間にある狭い道を走る。ここから今庄までが旧北陸本線跡らしい雰囲気をもった道である。トンネルがいくつもあり、当然一車線だし、信号があるものを除いて先入優先なので気をつけて走る。昔走った時より対向車が多かったのは情報が豊富になった影響もあると思う。上り線の杉津PAは旧北陸本線の杉津駅の場所である。この先はトンネルが連続してまさに昔の鉄道の旅である。もっとも長い「山中トンネル」を今庄側に出たあたりが広くなっている。ここはスイッチバック方式の待避所で、ここですれ違いをしたのである。昔PDラリーの取材時に山中トンネルを走っていた機関車の運転をしていた人に偶然お会いし、勾配がきついので機関車を2台連結した重連運転でやっと乗り切っていたという話を聞いたことを思い出す。
 以前は無かった林道でR8に出ることができた。これでやっと予定通りのコース取りができてほっとする。河野海岸有料道路に下る道からの眺望が素晴らしい。山が海に落ち込む所を走る有料道路は夏期には入口に臨時の料金所を設けていたが、今夏は設置しないというので助かりました。海岸線に沿って直線的に走っている有料道路は珍しい。
 コースを少し逆走してR476に戻り、新保で旧道に入る。これは旧北陸道で、新保の家並みが急勾配の坂道に階段状にあるのが印象的な風景になっている。中程に水戸天狗党を率いた武田耕雲斎がこの地に逗留して本陣とした建物が残っている。820人もの人数がこの小さな村にどのように宿泊したのだろうか、想像もできない。そして降伏した水戸天狗党は敦賀の来迎寺で明治維新を目前にして353人が斬首されてしまったのだ。酷いことの方が歴史として後世に残るようだ。新保から地図にない道を見つけたために、栃ノ木峠に回ってしまった。旧北陸道の峠に550年前から住んでいる前川家の当主と前日にお会いして、羽柴秀吉が泊まった部屋の話などを聞いたのだが、地図にない楽しい道を通ることによって前川家はパスすることになった。ちょっと惜しい気がする。
  栃ノ木峠に淀川の源の碑がある。淀川は琵琶湖を発し瀬田川、宇治川と名を変え淀川となって大阪湾に注ぐと学習していたし、天竜川も諏訪湖に発し・・・と辞書にある。いつから湖よりも遡るようになったのだろうか。そして、いつからこの碑のように淀川の源が公認されたのかは判らなかった。
 「今庄365スキー場」を抜けて栃ノ木山中林道に出るのだが、シーズンオフでもスキー場がとても賑わっていた。日帰り温泉があるのだが、それだけではない魅力があると思える。林道に上がるためのゲレンデ沿いの道半分だけに柵が置いてあったが、通行可能であることを確認したので、安心して通行してください。
 林道は余裕のある広さがあって長い下りの続く道は楽しくドライブができる。旧北陸道が林道を横切るが、その道を少し歩いてみてください。義経も蓮如も芭蕉も歩いた道です。木曾義仲や羽柴秀吉などの偉い人達は馬上か駕籠か、やはり歩いたのか、そのことに触れたものを見たことがない。
 旧北陸本線を山中トンネルから逆走し、下り線の杉津PAをゴールにしたが、コースでの対向は時間差が大きいのでエントラントが長いトンネル内で出会うことは無いでしょう。
 FCPから階段を上がり、鉄扉を開けて杉津PAに入る。外からの立ち入りを公に認めているPAは珍しいのではないでしょうか。ここは食事の評判がよい。値段が安いが量は少し小振りのような感じもする。しかし、なんといってもここの売りは展望台からの敦賀湾の眺めで、とても素晴らしい。特に敦賀湾に沈む夕日は見事である。その時期の夕日の写真が店内に展示されている。それはすべて店長さんが撮影した写真です。そして、さらに人気があるのが願いを掛ける“ハートロック”で、小さな鍵がフェンスにびっしりと掛かっている。どんな願いを掛けているのでしょうね。


 バラエティに富んでいる道とクイズを存分に楽しんでください。


OQMコース情報ページ