第10回 『迷走国道と3つの終着駅 114km』 第10回は、千葉県です。      


  最初に・・・
  5月20日に尾針さんがご逝去されました。 
  1998年2月に第154回PDQM(1998年03月号)『「探訪・匠」羽生〜結城105Km 埼玉・茨城』の2CP「ネープルパーク」の駐車場で、私の車(当時はスズキ・カルタス1000fでした)を覗きこんでいる赤いジャンパーを着たオジサンがいるので、誰だろう? って思いながら近づくと尾針さんでした。 その時にPDccQRへの参加のお誘いを受け、その4月の第16回「オオムラサキの里」に参加させて頂き、その後2005年からは、OQMの作成のお手伝いもさせて頂いてきました。 98年2月に尾針さんにお会いしなかったら、恐らく時々PDQMに参加する程度で、今のようにオリジナルコースも作成していなかったかも知れません。


  今回のコースは、あるサスペンス劇場(TV)で見た、殺人トリックに使われたある終着駅に行ってみたいと思い、コースレイアウトを始めたのですが、スタートに選んだのは、私が作成のサポートをしたOQM35のゴールだった「道の駅 富楽里とみやま」で、コース前半は、OQM35の際、コースレイアウト上コースに取り込めなかった「林道嶺岡中央3号線と4号線」を走り、OQM35でも訪れた「大山千枚田」にCPを置くプランとし、5月16日(日)に試走しました。
  その数日後にまさか尾針さんが亡くなられるとは思ってもいませんでした。 もしかすると何かの力が私を尾針さんと訪れた場所に再び行かせてくれたのかもしれません・・・。 考えすぎかな・・・?  何れにしても、私をトップリとDRの世界に浸からせてくれた尾針さんに感謝して、今回のコースを公開したいと思います。




  スタートは、OQM35のゴール地点であった「道の駅 富楽里とみやま」。 スタートだとOQMの時に紹介された「海鮮レストラン網納屋」の海鮮丼を味わうのも時間的に早すぎると思うので、サッサとクイズを解いて出発!(笑) スタートは、道向かいにある西側駐車場。

  2図から林道嶺岡中央3号線に入る。平成10年頃まで、嶺岡中央線の中では最後までダートが残っていたようだが、今は舗装路になりハイカーやサイクリストのための休憩場所まで設けられている。試走の翌週にはマラソンのコースにも使われたようだ。 
木々の中を走るためほとんど眺望は利かないため、雰囲気的には結構山の中を走っている感じがするが、標高は200mを少し超える程度しかない。 DWR43のスタート後、郊外型店舗の通りを過ぎて、最初のカーブを曲がった先が既に標高200mを超えている群馬を走っている人間(私)にとっては、かなり感覚が狂う。 この後走るほとんどの林道も同様で、かなり標高が低く、また生活の臭いを強く感じる(民家が近い)。千葉で初めてコース作成をして感じた「千葉の道」の特徴の1つが、【山の中の筈なのに生活の臭いが強い】という事である。

  林道嶺岡中央3号線の終点に1CPを置いた。 県道を少し走り6図から林道嶺岡中央4号線に入る。 6図地点には『明治隧道』の遺構が残っているらしいが、まだまだ先が長いので先を急ごう。 4号線は距離が短く、すぐに一般道に合流する。 8図からOQM35でも訪れた大山千枚田に向かう。OQM35のコースの逆走になる。 大山千枚田に2CPを置いた。
大山千枚田は、OQM35の時は稲刈りも終わり寂しい風景だったが、この季節は丁度田植えが終わった所で、皆さんが参加される頃は水田風景が楽しめると思う。 また、開催期間の終わり頃には稲穂が色付き始めているだろう。 是非季節を変えてご参加下さい(笑)

  10図から県道、国道410号を走り、奥米渓谷方面に向かう。 君津と鴨川との市境にある君鴨トンネルの手前から林道に入った。君鴨トンネルの下をくぐる三島トンネル(現在は通行止め)の手前から、林道高山線に入るが、いきなりダート! しばらく進むがかなり深いクレパスで道幅が2/3程度になっている。スイフトでは問題なく進めそうだが、大きい車で参加して頂く方もおられるので、ここは勇気を持って撤退!(笑) この判断が後ほど嬉しいご褒美をくれたのかも・・・(お楽しみに)。

  君鴨トンネルを抜けた先の清和県民の森から再度アプローチする事にした。 3CPを置いた県民の森を抜けると緩やかな上りのワインディングが始まる。14図から林道淵ヶ沢奥米線に入る。先ほどの高山線の先がこの林道につながっている。15図から林道三間線に入る。この林道、やたらトンネルが多い林道である。 コース上ではすぐに終点を迎えるが、三間林道に続く道もトンネルが多い。 【標高は低いのにやたらトンネルが多い】 これが私が感じた「千葉の道」の2つ目の特徴である。

  2連のトンネルを抜けると、突然視野が開ける。三島湖である。ヘラブナ、ワカサギ釣りのメッカらしい。 道の両側に広がるそんなに広くない湖面に、釣り人のボートが整然と並んでいる。 
昨年閉鎖された国民宿舎の前に4CPを置いた。すぐ近くにある民営のロッジは、繁盛しているのに・・・。
国民宿舎の前にある看板で面白いクイズが出来そうであったが、簡単に入れるとは言え、入口チェーンが張ってある以上立ち入り禁止であるので、パスした。

  さて、今回のタイトルにもなっている1つ目の見所の『迷走国道』に向かう。 その主役である国道410号に16図から入る。 道幅も十分な道が続き、途中「大坂」の信号で右に道が分岐して行く。 道なりとしては勿論直進であるが、国道410号はここを右折している。 コースとしては、ひとまず直進し、「大坂」の信号で右折して迷走した後にやってくる国道410号に先回りして、こちらのHPで紹介されているルート通りに辿る事にする。

  18図から国道410号を走る、先ほどの「大坂」の交差点を目指して。

途中にあるトンネルは少し小ぶりな感じがするが、快走できる普通の国道である。
コマ図19図に注釈があるとおり、3つ目のトンネルに入る際、トンネルの右上にガードレールがある事を見ておいて欲しい。 国道410号は19図で左折する。ところが、左折した途端、道が豹変する!(笑) 今までの立派な道は何処に行ったの? 左折した先に5CPを置いた。


5CPの先の左カーブを曲がると、益々道が怪しくなる。 国道標識があるのだが、もし無ければ絶対これは林道である。 で、いきなり素掘り(残念ながら内面はコンクリートが吹き付けられているが・・・)のトンネルが出現!


更に先に進むと、更に道幅が狭くなる。 ここが先ほどトンネルの手前から見上げた場所である。尾根道で、その尾根が非常に狭いため、国道とは呼べない体となっている。 

右側の谷を見下ろすと、先ほど走って来た国道と、それに平行して走る線路が見える。久留里線である。 この後、この終着駅に向かう。

  その後も村落の中を通る村道、または町道の雰囲気で進んで行く。 20図辺りは、道に面した店の前で子供たちが遊んでいても不思議ではない雰囲気である。 しかし考えてみれば、私の田舎を通る国道の旧道もこんな雰囲気である。『昔はこんな道をバスが通っていたのだ』と帰省すると思う。 国道410号の迷走区間は、時代の流れから取り残された昭和初期の国道なのである。 その辺りの経緯は、先に紹介したHPで知る事が出来る。
21図でコースは左折するが、そのまま直進すると先ほどの「大坂」の交差点に当たる。 どう考えても近い将来、国道410号は「大坂」の交差点を直進する道に変わるであろう・・・。


  今回のコースの2つ目の見所の『3つの終着駅』の1つ目に向かう。 23図先から国道465号の旧道に入る。ここも410号に負けないくらいの良い雰囲気である(笑) 私の持っているマップルでは、国道の赤色表示になっているが、コース上には国道標識が現れなかったので、もしかすると国道指定から既に外されているかもしれない。

  JR久留里線の終着駅の上総亀山駅前に6CPを置いた。 丁度列車が停まっていた。 一日13本の運転本数で、日中は2時間に1本の運転本数であるが、折り返すまでに結構長い時間停まっているようなので、停車中の気動車を見ることが出来るだろう。
  
  線路は少し先まで伸びて車止めがある。 現在の気動車による運転になる前は、恐らく客車をディーゼル機関車が引いていただろうから、その機関車の方向転換用のスペースであろう。
すぐ先には、低いとは言え山が立ちふさがっており、更に先に進むにはかなりの労力が必要だろう。 一応国鉄時代には、このまま先に進み、次に訪れる上総中野駅を経由して、いすみ線(旧国鉄木原線)と結び、木更津と大原を結ぶ房総横断鉄道を目指していたようだ。


  試走時、ここでコースから一旦外れ、国道465号で上総中野駅に移動した。 と言うのは、事前の調査では14時丁度に上総中野駅をいすみ線、小湊鉄道両方が出発するのである。 そう、私がテレビのサスペンス劇場で見たトリックの瞬間が見られるのである。 
10分程前に到着したが、いすみ鉄道は停まっているのに、小湊鉄道の姿が見えない・・・。 到着が遅れているのかと思い、しばらく待っていたが到着する気配が無い。 駅舎の中の時刻表を見て、愕然・・・。 何とこんなローカル線のくせに平日ダイヤと休日ダイヤがある! がっかり・・・。 休日ダイヤでは残念ながらトリックの場面を見ることが出来ない。 
平日に参加できる方は是非平日に参加して、その瞬間を見て頂きたい。9時までにスタートすれば、14時に間に合うのではないかと思う。


  試走は、上総中野駅からそのまま進み、ゴール後6CPの上総亀山駅に戻り、コースに沿って再び上総中野駅まで走ったが、コース案内は、コース通り6CPから先に進む。

  6CPから少し国道465号の旧道を走り、25図から林道坂畑線に入る。上りのワインディングでやはり標高200mくらいまで上る。26図から林道大福山線に入る。 何とダート! それも先の林道高山線とは雲泥の差の超良質ダート! 土色の舗装かと思うくらいの砂利が全く入っていない、轍が全く無い良く締まったダートである。 こんなダートは、私の過去の経験でも覚えが無い。残念ながら1.5kmほどで終わってしまうが、やや下りの快走ダートを楽しんで頂きたい! 高山線を勇気を持って諦めたご褒美だと思う!(笑) 余りにも気持ち良く走ったので、写真を取り忘れました・・・(^_^;;

  途中に置いた7CPを経て、養老渓谷方面に下って行く。 テレビなどで紹介される養老渓谷の見所からは少し離れてしまっているが、養老川を見てもらおうと、途中から右折した。 が、何と川を渡る吊り橋(白鳥橋)の重量制限が 1t ! スイフトでも1000kgあるので参加者の皆さんの車では、軽四車両以外は通れない・・・。  養老渓谷駅の近くの橋を渡り県道に出て、国道465号で上総中野駅に入り、8CPを置いた。 結局、先の奥米渓谷も養老渓谷もその気配も眺める事が出来なかった・・・。 群馬の道は川沿いに走る道が多いが、千葉の道は標高が低いためか、【尾根を走る道が多い】ような気がする。 これが「千葉の道」を走って感じた3つ目の特徴である。


  先に書いてしまったが、上総中野駅はいすみ鉄道(旧国鉄木原線)と小湊鉄道の終着駅である。 2度目に訪れた時は、丁度小湊鉄道が到着するところだった。

  いすみ鉄道はワンマンカーだったが、小湊鉄道は運転手さんと女性の車掌さんが乗っていた。 また、若い2人の女性が降り、そのままいすみ鉄道のホームへ上がっていった。 今流行の『乗り鉄女』か?(笑) 

  夕日をバックに小湊鉄道の気動車を見ると、更にローカル色を感じるが、上総中野駅まで来る便は一日たった4便(休日は5便)だけであるが、木更津近郊ではかなりの本数が運転されている。朝は千葉、東京方面に通勤する人が結構利用しているのだろう。

  これで、3つの終着駅は終了。 『え? 2つじゃないの?』って思われる方もおられるかな? いすみ鉄道、小湊鉄道それぞれの終着駅ですから、「3つ」と言うことで・・・。 広告(タイトル)に偽りあり?(笑)


  9CPは大多喜城址に置いた。 ほとんどの史跡が壊され、残っていた本丸跡も隣にある高校の校庭拡張で壊されかかっていたのを当時の県知事の配慮で残した様である。天守閣は勿論、石垣も復元されたものである。 天守閣は有料の資料館になっているので、天守からの眺めを楽しむ事は出来なかった。

  林道久半谷線を経て、県道172号に抜ける。 この県道も所々センターラインのある箇所があるが、ほとんどが1.5車線幅の道で楽しい。

月出小学校の前から県道から外れ、ゴルフ場沿いの道に入る。 かなり道幅が狭いので対向車が来ると離合に困るかも知れないが、対向車は恐らく来ないと思う。 この道、大多喜と江戸を結んでいた『江戸道』の名残りではないかと思う。途中手書きの説明板があるのだが、はっきりと判らなかった。

  家畜団地を通り、県道32号に出る。 家畜団地を通る時は、群馬を思い出した(笑) しばらく我慢を・・・。

県道への出口に10CPを置いた。 県道への出口なのに止まれ標識が無い(手製の止まれ看板があるが)。 ここまでのコースにおいても、普通止まれ標識がありそうな交差点に止まれ標識が無い事が多かった。 コマ図22図や34図などは絶対無いと危ないと思うが、無かった。 千葉県民は譲り合いの精神に長けているのだろうか?(笑) 【止まれ標識が非常に少ない】と言うのが、4つ目の「千葉の道」を走って感じた特徴である。

  再び養老渓谷駅の側を通り、林道朝生原線、女ヶ倉線を走り大福山方面に上っていく。 途中この辺りも昔は海底だったと判る地層が見える。
この辺り、養老駅から養老渓谷などを巡るハイキングコースになっているので、家族連れなどのハイカーが多いので注意して欲しい。
大福山山頂への登山道(標高242mしかないが)入口を通り、25図からの林道坂畑線に合流し、尾根伝いの道を走る。最後の林道も気持ちよく走る事が出来る。標高が低いため、上り下りもきつくなく、スイフトの様な非力な車でも楽しめるのが千葉の道かも・・・。
県道32号を経て、久留里城址にゴールを置いた。 

 ※CPを置いた側の駐車場は16:30に閉まってしまうらしい(どの箇所が閉められるのかは確認出来なかった)ので、チェック後は久留里城址への登り口がある一番奥まで進んで車を停めて下さい。


  久留里城も先の大多喜城と同じく山城である。 大多喜城がそうであった様に、標高が低い土地の山城なので登るのも楽だと思っていたが、最後の最後にきつい登りが待っていた・・・。 その登りを味わって頂きたいので(笑)、クイズも一番頂上の天守閣の入口に設定した。
16:30までなら天守閣にも、資料館にも入れる。大多喜城址と違いここは無料である。 天守からの眺めは、海が見えるかと期待したが、残念ながら標高の低さが災いして見えなかった。


  帰り道は、駐車場先のトンネルを抜けると、国道410号に出られる。 そう、あの迷走国道に。



1.コース: 千葉県南房総市二部『道の駅 富楽里とみやま』 〜 千葉県君津市久留里『久留里城址』  約114km
2.試走車: 車種=スズキ スイフト (マニュアルミッション 1名乗車)
タイヤ=ミシュラン PP2 195/55R15
距離計測器=永井電子機器ウルトラスピードメーターMODELNo.4020(1m計測)
走行=制限速度+α(一般車の流れ) キープレフト完全グリップ
走行日=2010年5月16日   天候=晴れ  路面状況=ドライ
3.基準距離: スタート〜OD=5.627 km
4.開催期間: 2010年 6月 12日(土)〜2010年 9月 5日(日)
5.応募締切り: 2010年 9月 11日(土) 郵送の場合消印有効
6.結果発表: 2010年 9月 26日(日)予定
7.成績: 問題の解答の正誤により、誤答の場合あらかじめ決められた減点を与え、その減点合計の少ない順に順位を決める。
同点の場合は、解答提出の早いチームとする。
提出も同日の場合は、距離誤差の少ないチームとする。
更に同点の場合、解答発送(消印またはメール発送)の早いチームとする。
発送も同日の場合、走行日が早いチームとする。
8.参加費: 無料
9.解答の提出: 提出方法=所定の解答用紙に記入し、郵送もしくはメールで。
郵送の場合の提出先=E−mailで、お問い合わせ下さい。
10.質問等問合せ先: 携帯TEL=090−8174−6781
または、E−mail=chobi-chan@mx6.ttcn.ne.jp (なるべくメールで)

    メールアドレスは、先頭の「c」を小文字の「c」に訂正して下さい。
尚、質問に対しては即答はせず、回答の必要があると判断した内容について公式通知にて公開する。公式通知発行前に参加済み、又は解答提出済みの参加者がいる場合でも、考慮しないものとする。参加者はこれを了承したものとする。
11.注意事項: (1)当ドライブラリー(以下DR)に参加中に、万一、事故等のトラブルにあっても、作成者、主催者は、一切責任を負わない。
また、参加者は道路交通法及びその他の諸法令を遵守する義務を負い、社会常識等に反した行動は、断じて取らないようにする事。 参加者は、その旨を了承し、参加したものと判断する。
(2)当DRの夜間走行は、禁止する。クイズが解けません。
(3)工事や災害による通行止めがあった場合、参加者全員がその区間を通過できない場合は、その区間をキャンセルとする。1名でも通過できた場合は、成立とする。この場合、その区間の不通過者の減点は、通過者の内の最大減点とする。
(4)このコースはドライブラリープロジェクトが開催する ドライブラリー選手権に登録しております。 このコースの結果はドライブラリー選手権の結果に反映され、 参加者のお名前と成績がドライブラリー選手権のホームページで 公開される可能性があることを予めご了解ください。
万一、お名前の掲載に不都合がある場合は、匿名での掲載とさせて頂きますので、その旨をご連絡ください。 全く掲載を希望されない方はその旨をご連絡下さい。


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公式通知  公式通知1(2010.6.8) 公式通知2(2010.6.21) 公式通知3(2010.6.28)

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