尾針得介の元祖クイジーマップ
OQM forever
奥美濃の高賀山三社巡りと郡上八幡城ドライブ100km

※終了しました


参加方法と規則   走り方
コー ス全体図公式通知正解結果賞品参加者感想
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 2000年7月にOQM-1が開催されて10年。番外の“特上”を含めて今回で43コース目でしたが、主催者の尾針さんが5月に急逝され、OQMは突然の幕引きを迎えることになりました。遺作となったこのコースは、尾針さんが入院される数日前に試走したものです。今回、取材ノートや写真などを元に最後のOQMとして開催するにあたり、試走に同行した私(熊沢)が、当時の様子を織り交ぜつつ、コースを紹介させて頂きます。

 今回は、山岳信仰や円空上人で知られる奥美濃の高賀六社のうち三社をめぐり、郡上市美並町の「日本まん真ん中センター」を経由して、踊りと名水で有名な城下町の郡上市八幡町をゴールとする100kmのコースです。試走車はスイフト・スポーツ、計測器はドラモニ4020を使用しました。

 尾針さんは当初、1969年に開催された「第11回日本アルペンラリー」で走った九頭竜ダム南岸の伊勢峠を通るルートを計画していましたが、雪解けが遅くて通れない所があり、もう少し南のエリアで作成することにしたそうです。

 スタート地点は岐阜県関市武芸川町で、東海環状道の関広見インターからほど近い「道の駅むげ川」。コンパクトで可愛らしい道の駅ですが、朝はすぐ横を流れる武儀川からの風が心地よく、気持ちの良いスタートを切ることができるでしょう。

 武芸川町から美濃市へ。短いながらも雰囲気の良い峠と田舎道をしばらく走るとODが現れます。ODを過ぎると、板取川の清流が見えてきました。このあたりは有名な美濃和紙の里で、川の向こうには「美濃和紙の里会館」があって、紙漉きの体験などができます。コースはそのまま旧道を走りますが、この道がとても気分がよく楽しめました。

 「円空キウィ街道」と名付けられた道路沿いにある「天神々社」を1cpとします。円空上人ゆかりの地だけあって、このあたりは円空仏のイラストやモニュメントを目にすることが多いのはわかりますが、キウィの名産地でもあるようです。

 コースは板取川に忠実に沿うように北上します。途中、「栗原ふれあい広場」という地元の野菜直売所がありました。地元の人たちだけで運営しているだけあって、手作り感一杯の建物ですが、規模は大きめで、手打ち蕎麦や鮎の塩焼きなどを食べさせてくれる食事処も完備されています。ここでお蕎麦をいただいたのですが、地元産の蕎麦粉をこのあたりの名水「高賀の森水」で打ったというざるそばは、尾針さん曰く、予想以上に美味しく、また盛りつけられた器も良かったとのこと。野菜の直売は8時頃から、食事処は朝の9時頃から営業しています。お店のおねえさんによると、「セット」のメニューがお勧めだそうですよ。

 高賀神社の「神水庵」で汲める水は、シドニー五輪金メダリストの高橋尚子が持参していたということで人気に火がついたようです。私がディズニーランドに行った時に現地で買ったペットボトルの水が、ここの水だったので驚いたことを尾針さんに話したら、たいそう面白がられていました。朝早くにも関わらず、駐車場には水を汲みに続々と車がやってきます。ここにも朝取りの野菜が色々と売られていて、尾針さんは「安いね」と喜んで、お土産にされていました。
 「日本一幸世大鳥居」の奉賀帳一覧が巨大な碑となって駐車場にありますが、元総理大臣夫妻(鳥居の名前が夫人と同じ)や、元お公家さん、さらには有名女優夫妻などがトップに名を連ねていて、「金一封」で4組が並んでいます。これだけ「金一封」が揃っているのは尾針さんも初めて見たとのことでした。その後が「金壱千伍百万円」でしたから、これ以上の金額ということなのでしょうか?

 高賀神社の絵馬に面白いものを見つけました。「りっしんしゅっせができますように」という願文です。もうすっかり死語になったと思っていましたが・・・それに、全文ひらがなということは小学校低学年くらいでしょうか。尾針さんは「神様にこの願いをぜひかなえてもらいたい」とおっしゃっていました。
 この高賀神社のまわりは静かな山里になっていて、傍には「円空記念館」があります。有料施設なのでクイズは設定していませんが、円空上人の足跡や円空仏についてわかりやすく展示されています。

 コースは再び国道256号を北上。沿道には鮎料理のお店が点在しています。やがて板取川に別れを告げ、タラガ峠を越えて長良川沿いの郡上に抜けます。タラガ峠の旧道を通る予定でしたが、行ってみると閉鎖中。尾針さんも私もこれにはがっかりしましたが、気を取り直して新道のタラガトンネルを通過します。このタラガトンネルは長さが4571mあり、常時無料で通行できるトンネルとしては日本で2番目に長いということで、話のネタにはなります・・・とは言ってもトンネルはトンネル、ただ通るだけではつまらないので、中にクイズを設定しました。なお、トンネル内は駐停車禁止(待避所も非常時以外は同様)なので注意してください。
 トンネルを抜けると郡上市に入ります。タラガトンネルの板取側には「トンネル出口以遠大型車通行不能」という標識があったのですが、確かに郡上市側はカーブがきついので、これでは全長の長い大型車が走るのは難しそう。尾針さんは「こんな立派なトンネルができたのに勿体ない」と面白がられていました。

 郡上市美並町へ向かう八王子峠を通ります。峠のふもとにあるのが高賀六社の1つ、「新宮神社」。境内にある杉の木の立派さに圧倒されます。
 八王子峠は少し前までは簡易舗装で、場所によっては荒れた路面がずっと続いていましたが、今はきれいに舗装されています。ただ、道幅は相変わらず細く、ガードレールが無い個所も多いので注意してください。峠はちょっとした広場になっているので、新鮮な空気を味わいながら一息つくことができます。高賀山周辺は、古く平安時代、藤原高光の妖怪退治伝説にまつわる場所が数多く存在していますが、八王子峠の先には妖怪を退治した藤原高光が矢を納めたという場所もありますよ。

 5cpの星宮神社は、参道にたくさんの石燈籠が並んでいるのが目を引きます。そして、境内にある池には天然のウナギが生息しているとのこと。説明書きには、ウナギが現れるのは4月から9月までとありましたが、池の中を2人でくまなく探してもウナギを見つけることはできませんでした。ここのウナギも妖怪退治伝説に登場するほど由緒があるので、決して獲ってはいけないそうです。
 星宮神社の入り口に「ふくべ苑」という食事処があり、メニューは麺類から定食類まで揃っています。お店の方が「夏には鮎焼きが美味しいから、是非いらしてくださいね」とにこやかにおっしゃっていました。すぐ下を流れる清流の音を聞きながら焼き鮎にかぶりつくのも一興ではないでしょうか?

 星宮神社を後にして美並町内へ。長良川を越えた先、小高い丘の上に「日本まん真ん中センター」がありました。建物の一部が日時計になっている、ちょっと変わったデザインです。中に入ると大きな日本地図があって、ちょうどこの施設の場所あたりに屋根から突き出した棒が下りています。どうやらこの棒が日時計の針にもなっているようです。お役所が作るこの手の施設はドライブラリーの作成には非常にありがたいもので、遊び心満載のモニュメントがあちこちにありますから、クイズのネタには事欠きません。今回もクイズを絞り込むのにかなり苦労しました。駐車場は広くて、たいていは空いていますが、何かイベントがある時は混雑するかもしれませんので、6cpのチェックの際には注意してください。

 ここからは和良方面に抜ける大峠を越えます。結構道幅も狭くカーブの多い峠ですが、すぐ横に新しいバイパスとトンネルを建設中で、完成間近でした。もしかしたら、開催期間中に供用開始となるかもしれません。これによってコースにした道路がすぐに閉鎖されることはないと思いますが、コースが変わってコマ図が追加される可能性がありますので、参加前に公式通知を確認してください。
 道はだんだんと狭くなり、車1台分がやっとという箇所もありますが、そんな所にも普通に民家が点在しています。嘗ては小学校もあったらしく、古い木造校舎がそのまま残されていたのでチェックポイントにしました。今は地元の人たちの集会所として使われているようですので、建物には入らないでください。峠を越えると、旧和良村に入り、道は気持ちの良い快走路となります。

 「龍王宮」という、ちょっと珍しい神社がありました。クイズも設置したので寄ってみてほしいのですが、なぜ、このような施設がここに設けられたのかはわかりませんでした。

 20図を過ぎると、郡上八幡方面に向かいます。しばらく走ると右手に「だいなまいと」という名前のレストランがありました。メニューはトンカツや焼肉など、定食類が中心ですが、800〜1000円とリーズナブルでボリュームもあって味もいけます。ここまで食べそびれた時にはお勧めできます。

 コースは堀越峠のワインディングを一気に下り、郡上八幡市内へ。そのまま市内を通り、郡上八幡城の麓にある公園付近をゴールにしました。郡上八幡は、街並みも整備されて、通常の休日でも観光客でかなり賑わいます。特にこれからは郡上踊りのシーズンを迎えて益々賑わいますので、運転には十分注意してください。また、22図以降はクイズを設定していませんので、ゴールしたら直ぐに車を移動してください。町中の駐車場に車を置いて、街並みをゆっくりと散策されるのもいいでしょう。郡上八幡城や宗祇水、ちょっと変わったところでは、食品サンプル創作館「さんぷる工房」なども面白いかも?・・・郡上八幡は「食品サンプル発祥の地」だそうです。また、8月は、夜になると街のどこかで郡上踊りが開催されていますので、踊りに加わるのも一興です。みなさん、思い思いに郡上八幡を楽しんでください。そして、感想文での報告をお待ちしています。きっと尾針さんも楽しみにされていることでしょう。

 さて、余談ですが、試走完了後に尾針さんと私はR156の城南交差点(JR郡上八幡駅や郡上八幡ICの近く)にあるガソリンスタンド・金子石油さんに立ち寄りました。ここは、「第11回日本アルペンラリー」の指定給油所になったところで、社長の金子さんも当時のことをよく覚えてみえ、尾針さんと当時の写真を見ながら暫し昔話に花を咲かせていらっしゃいました。見た感じは普通のスタンドですが、よく見ると懐かしい星型の「CALTEX」の看板などが当時のまま残っていたりします。ぜひ帰途の給油に立ち寄ってみてください。

 最後のOQMがみなさんの心に残る楽しいドライブラリーとなることをお祈りします。

OQM コース情報ページ